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高血圧


 高血圧(Hypertension)とは、血圧が正常範囲を超えて高く維持されている状態で、放置すると動脈硬化が進行し、虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞)や脳卒中、腎不全などの発症リスクとなる点で臨床的な意義が非常に大きいのです。高血圧自体の自覚症状は何もないことが多いのですが、むしろこの無症状である点が問題です。すなわち症状がほとんどないままに、長年かかってひそかに血管を蝕んでいくため「サイレント・キラー」とも呼ばれます。我が国では高血圧の管理が良好となった結果、世界一の長寿国になったと小生(院長)は解釈しております。それほど重要な疾患であると御理解下さい。

  高血圧の分類

 1.本態性高血圧
 原因は単一ではなく、両親から受け継いだ遺伝素因に加えて、生後の成長過程、加齢プロセスにおける食事、ストレスなどの様々な生活習慣がモザイクのように複雑に絡みあって生じる病態です。 高血圧患者の9割以上を占めます。樋口脳神経クリニックでは、患者さんの年齢(ストレスの多い若い人なら交感神経に作用する薬、動脈硬化のある年配の人にはカルシウム拮抗薬やアンジオテンシンII受容体拮抗薬)や合併症(例えば片頭痛の予防に有効な降圧剤があります)を考慮して降圧剤を選択いたします。

 2.二次性高血圧
 明らかな原因疾患があって生じる高血圧で、以下(代表例)のような疾患が原因となります。頻度は少ないのですが、手術や根本的な薬物治療が必要かつ有効である確率が高いので、その診断は重要です。

 ・原発性アルドステロン症
 副腎皮質の腫瘍(大部分は片側の腺腫で、一部が両側の副腎全体が大きくなる過形成)からアルドステロンが過剰に分泌されるため起こります。血圧が高くなることが唯一共通した症状です。その他、血液中のカリウムが低下する場合は、脱力感、筋力低下、多尿などが起こることもあります。以前は稀な病気と考えられていましたが、近年のデータでは高血圧症の患者さんの約5〜10%を占めると言われています。特に正常体重で若年発症かつ難治性の高血圧では、まず第1に疑う必要があります。

 ・腎血管性高血圧
 腎動脈の狭窄があり、血流量の減った腎臓でレニンの分泌が亢進するために起きます。

 ・クッシング病・クッシング症候群
 脳下垂体の腫瘍から副腎皮質刺激ホルモンが過剰に分泌されたり、 副腎皮質そのものの腫瘍からコルチゾールが過剰に分泌されるため起こります。

 ・褐色細胞腫
 副腎髄質や神経節の腫瘍からアドレナリンまたはノルアドレナリンが過剰に分泌されるため起こります。発作的な高血圧が特徴です。統計的理由から10%病とも言い[副腎外発生、両側性発生、悪性腫瘍、家族内発生、小児発生がそれぞれ約10%]、症状から5H病[高血圧(Hypertension)、代謝亢進(Hypermetabolism)、高血糖(Hyperglycemia)、頭痛(Headache)、発汗過多(Hyperhydrosis)]とも言います。

 ・甲状腺機能異常
 甲状腺機能亢進症や甲状腺機能低下症です。

 


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