睡眠時頭痛は初老期以降に起こる稀な疾患で(有病率 0.07%程度)、「目覚まし頭痛」ともいわれるように、患者さんを必ず睡眠から覚醒させる鈍い頭痛発作です。病態は不明な点が多く、多数例での研究は実施されていません。病態、臨床像、治療、予後などに関しても十分には明らかにされていません。画像診断によって二次性頭痛を鑑別することが重要です。鑑別診断として、睡眠時におこる一次性頭痛である群発頭痛三叉神経・自律神経性頭痛(発作性片側頭痛、 SUNCT 症候群)持続性片側頭痛などがあげられます。

診断基準(ICHD- II による)
A.B ~ D を満たす鈍い頭痛
B.睡眠中にのみ起こり、覚醒をきたす
C.次の特徴のうち少なくとも 2 項目を満たす
 1.1ヶ月あたり 15 回を越えて起こる
 2. 覚醒後 15 分以上持続する
 3. 初発年齢は 50 歳以上
D.自律神経症状がなく、悪心、光過敏、または音過敏のうち2つ以上を示さない
E.その他の疾患によらない (二次性頭痛、群発頭痛、片頭痛ではない)

  睡眠時頭痛の発作時の頭痛の程度は軽度~中等度ですが、約20%に重度の痛みが報告されています。両側性の鈍痛のことが多く、前頭~側頭部または全体の痛みです。頭痛発作の持続時間は15分~3時間で、各発作は自然軽快するのですが、さらに長時間持続したとの報告もあります。発作頻度は週に1~6日(週の後半に多発しやすい)、1~2回/日で、多くは睡眠後3時間の午前 1~3時に、毎回決まった時間に出現します。このような頭痛発作を長年にわたって繰り返します。群発頭痛でみられるような自律神経症状は伴わず、片頭痛でみられる随伴症状(悪心、光過敏、音過敏)の出現も目立ちません。心拍変動概日リズムの変化と、TRH負荷試験時によるプロラクチン過剰反応が睡眠時頭痛の患者さんで報告されており、視床下部―下垂体系の関与が示唆されています。睡眠ポリグラフィの検討では、REM睡眠期とNREM 睡眠の、いずれが関連しているかは不明ですが、脳幹の背側縫線核と青班核(いずれも片頭痛発作への関与が示唆されている部位)の活動性低下によるREM睡眠の障害が原因となっている可能性も考えられています。睡眠時無呼吸症候群とは関連が乏しいようです。また、長期的な予後は明らかにされていません。 薬物治療としては、カフェイン、炭酸リチウム、インドメタシンなどによる効果が報告されています。






脳神経外科(脳外科)・神経内科・頭痛外来の樋口脳神経クリニックには、兵庫県の阪神間 (西宮、芦屋、尼崎、宝塚、伊丹、川西)、神戸市や大阪府下の広範囲から患者さんが受診されます。主な対象疾患は、頭痛、特に片頭痛 (偏頭痛)、緊張型頭痛 (筋収縮性頭痛、筋緊張性頭痛)、群発頭痛です。さらに、高血圧の治療、脳卒中 (脳梗塞、脳出血)の予防に対応します。院長の樋口真秀は大阪大学医学部を卒業した「脳神経外科の専門医」であり、日本頭痛学会より認定された「頭痛専門医」です。