神戸・大阪の頭痛専門医による頭痛外来
薬物乱用頭痛の発症機序
片頭痛の患者さんには元々セロトニン系の中枢性痛覚抑制系に障害が生じており(「片頭痛脳:migrainous brain」と表現する先生もいます)、鎮痛剤連用により、さらにその抑制系が障害されます(down regulation=痛覚閾値が低下する)。
すなわち、片頭痛の際の情報伝達の過程において、脳幹から視床までのニューロン間での神経伝達物質放出を何度も抑制していると、セロトニン系の抑制系が外れて、結果として薬物乱用に陥る可能性があります。一方で、非ステロイド系消炎鎮痛薬(NSAIDs)により、「見かけの痛みを抑制する」ことを頻繁に繰り返していると、痛みに関与する脳幹(中脳)の被蓋部や黒質からドパミンの過剰放出が起こります。その結果、大脳辺縁系が感作されやすくなり、痛みに対する易興奮性が形成されます。これも薬物乱用頭痛の原因と考えられています。
「薬物乱用頭痛の発症は元々頭痛もちである患者さんに限る」という報告があります。例えば、腰痛など頭痛以外の疼痛に対して鎮痛薬を乱用した場合、片頭痛の既往の無い人なら薬物乱用頭痛を発症せず、片頭痛の既往歴や家族歴がある患者さんでは薬物乱用頭痛を発症しやすいのです。
薬物乱用頭痛の具体的な発症パターンは、
「頭痛もちの患者さん」に頻回の頭痛がある
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特に片頭痛の頭痛はつらいので、市販の鎮痛薬が手放せない
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頭痛を恐れるあまり、本当の頭痛が起こる前に、不安の段階で予防的に薬を毎日連用してしまう
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もはや効かないとわかっていても、飲まずにはいられない
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患者さんの性格的背景としての不安、強迫的、うつ的な傾向が、発症に拍車をかける
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薬で頭痛をこじらせてしまっている
市販の鎮痛薬だけでなく、医師から処方される鎮痛薬やエルゴタミン、トリプタン系薬剤も、使い過ぎると薬物乱用頭痛を起こしやすい薬です。特にトリプタン系薬剤の乱用は、片頭痛の頻度を増加させ、慢性片頭痛の頻度も増加させる可能性が指摘されています。さらにエルゴタミンの乱用よりも、トリプタン系薬剤乱用の方が早期に薬物乱用頭痛を引き起こすという報告があります。ただし、各トリプタン系薬剤について、差異は無いようです。
兵庫県 阪神西宮駅:大阪大学医学部卒の頭痛専門医・脳神経外科専門医による頭痛外来 樋口脳神経クリニック
:兵庫県(西宮、神戸、宝塚、芦屋、尼崎、伊丹、明石)、大阪から多数ご来院されています。